NETDUETTO利用時のチェックポイント

コロナウイルスの影響で音楽業界はなかなか表立って活動をするのが難しい日々が続いています。

 

特に密閉されたリハーサルスタジオに入る事はまだ避けているバンドも多いと思います。

 

SkypeやZoomなどオンラインでやり取りする事は出来ても、遅延が大きい為合奏はほぼ不可能。

 

そこで、YAMAHAからリリースされているオンラインセッションアプリ

NETDUETTO(ネットデュエット)が非常におすすめです。

https://www.netduetto.net

 

限りなく音の遅延を減らし、離れた所にいる相手とほぼリアルタイムに近い状態で合奏する事ができます。

 

 

・必要なものはパソコンとインターフェースのみ

(もちろん楽器やマイク、シールドなどそれぞれのパートにあったものは用意してください)

 

私は2012年からNETDUETTOで弦楽器隊でのリハを行なっており、アレンジの打ち合わせをしたり事前にフレーズの覚え間違いがないようにしたりしていました。

 

利用方法はとても簡単なので、ここでは回線を早くするためのチェックポイントやDAWとの連携機能などをお伝えしていこうと思います。

 

●回線の速度

 

・光ファイバーやケーブルテレビなど色々ありますが、どれが速いというより混み合っていないかなど大きな要因なのでスピードテストでチェックしましょう

 

スピードテストで検索すると色々出てきます。

 

⬆︎はうちの回線ですが、参加人数や環境次第では50Mbps程度あれば十分合わせられる事もあります。

 

●WiFiルータの種類

 

IEEE802.11n(通称:WiFi-4) 2009年策定

 

IEEE802.11ac(通称:WiFi-5) 2014年策定

 

IEEE802.11ax(通称:WiFi-6) 2019年策定

 

11n(Wi-Fi4)より古いものはNETDUETTOで使うのは厳しいと思います。

私が2012年にNETDUETTOをやっていた時は11nで、回線が混んでいなかったり家が近いなど環境が整っていれば大きな遅延は起きません。

11nは1ギガに到達しない為ネットの契約が1プランの場合は11acにしないと真価を発揮できません。

 

11ac(Wi-Fi5)は有線LANよりも速い事があるほどの規格です。もちろん回線の混雑やスペック次第で遅延もあったりしますが今NETDUETTOをやるとしたら11acが一番現実的かと思います。

 

11ax(Wi-Fi6)は2019年に一般的に市販されるようになったばかりの規格です。

しかし、ルータを11axにした所でこの世に販売されているパソコンやスマホ側が11axに対応していないものがほとんどです。

AppleだとiPhone11以降と今年発売のiPhone SEのみ11ax対応。

パソコンだとWindowsで何種類か出ている程度です。

 

11ax無線LAN子機を使えばパソコンでも使えるようになるけれども、現状はマザーボードに組み込みタイプのものしかありません。

しかし、近いうちにUSBスティックタイプが出るのではないかと思います。

 

環境にもよりますが、11ac以上あればNETDUETTOにてストレスのない環境を作れるかもしれません。

 

Wi-Fi6のルータはまだまだ高価だけど、11ac接続でもかなり速くなると思うので持っているパソコンが11ax対応でなくても11axルータはおすすめです。

 

 

●パソコン側のスペック確認

 

自分のパソコンのWi-Fiがどれを使えるかわからない場合は

 

Macの場合は画面左上のりんごマークからこのMacについてをクリック

 

システムレポートをクリック

 

 

以下のような画面が出てくるので、ネットワークのWi-Fi欄から11nや11acなど対応しているWi-Fiを確認できます。

 

11acの登場が2014年なので、それより前で出たパソコンは改造していない限り11acではありません。

 

●無線LAN子機・カード

11acなら外付け無線LAN子機が豊富に販売されています。

こんなコンパクトなモノも。

11nと11acじゃ遅延が雲泥の差なのでNETDUETTOでは是非おススメします。

 

カードタイプで良ければ11axもあります。

 

 

●有線LAN接続

 

安定した合奏の為に有線LAN接続が推奨ですが、11acや11axになってくると無線の方が速い場合もあります。

スピードテストで速い方を選びましょう。

 

また、ルーターからパソコンが遠いなど、どうしても無線じゃないと厳しい場合は無線LAN中継器を間に挟む事でかなり改善されます。うちのメンバーも使用し大分スピードが上がりました。

 

●LANケーブルの種類

 

LANケーブルはカテゴリ5、5e、6、6A、7、8など様々な種類がありますが、まず最低限CAT5e以上にしましょう。

CAT5は100Mbpsまでしか出ないので要交換!

 

現在CAT8ケーブルが最上位でありますが、まだ一般的に使用されている家庭用回線は1ギガが大半なのでCAT6程度で十分だと言われています。

 

家庭用でCAT7やCAT8は無意味だとか言われることも多いですが、知り合いがCAT5eからCAT8に変えた所、速度が倍になったそうです。

以下のようにCAT8の帯域の大きさが要因かもしれないので、少しでも回線を速くする術を使いたい人はCAT7やCAT8のケーブルに変えてみるのもありかと思います。

出典 https://note.cman.jp/network/lan_cable.cgi

 

 

●NETDUETTO設定

 

設定画面から音質や圧縮を設定できます。

うちのバンドの場合は音質設定で中音質くらいでやっています。

 

高音質と比べると音量が体感的に半分になるので、音質を下げた場合は送りの音量を大きく上げましょう。

 

 

●併用する映像アプリ

 

NETDUETTOは音のみなので、同時にSkypeはZoomなどのアプリを立ち上げている方も多いと思います。

 

私たちもSkypeをパソコン上で立ち上げていたのだけれども、ある時Skypeなしでやったら速度が劇的に速くなりました!

 

NETDUETTOを使えないメンバーもいるので、映像はスマホのLINEビデオ通話を立ち上げています。

 

とにかく遅延をなくしたい場合は回線をNETDUETTO一本に絞って使った方が良いです。

 

NETDUETTOは3chまでインプットの設定が出来るので、会話する場合はマイクを別途用意します。

また、ミキサーとインターフェースを併用してNETDUETTOに送れば複数のインプット使用も可能です。

 

私はミキサーにギター、会話用マイク、オケ流し用iPhone回線、鍵盤、この4回線をミキサーに挿し、インターフェースにステレオで送っています。

 

 

●ドラムのセッティング

 

自宅でドラムだと電子ドラムになる事が大半だと思います。

電子ドラムモジュールのヘッドフォンアウトにステレオケーブルを挿してインターフェースにLRでインプット。

モジュールのラインアウトはあまり音量が稼げない事があるので音が小さい場合はヘッドフォンアウトから音をインターフェースに送り、ヘッドフォンはインターフェースに挿しましょう。

また、NETDUETTOのDAW連携機能を使えばDAW内のドラム音源を利用して合奏する事ができます。

MIDIケーブルでドラムモジュールとインターフェースを接続し、DAWを立ち上げドラム音源を使用すれば非常に良いドラムサウンドで合奏できると思います。

 

 

●DAW連携機能

 

NETDUETTOの一番すごい機能はコレ!

DTMソフトと連携して遠隔レコーディングができます!

 

https://www.netduetto.net/download/alpha.html

 

VSTプラグインですがロジックなどのAudio Unitsも対応しているみたいです。

 

NETDUETTOをダウンロードした時にVSTPluginsというフォルダも一緒に出てきます。

 

この中にあるプラグイン二つを

 

普段使っているVSTプラグインフォルダに移します。

 

うちのMacの場合は

 

Macintosh HD→ライブラリ→Audio→Plug-Ins→VSTの順です。

 

とても参考になるブログはこちら↓

オンライン上でDAWの共同作業を行う Netduetto 2

 

 

 

DAWのプラグイン一覧に表示されるようになるので、使用するトラックにドラッグさせると

 

 

NETDUETTOが立ち上がって【VST連携中】の表記がされます。

 

 

 

実際にオンラインレコーディングはまだ試した事がないので、今後オンラインレコーディングの様子もお伝えして行こうと思います。

 

 

ここまで読んでくださりありがとうございました!